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携帯音楽市場一人勝ちの構図とインフラの概念

iPod nano偏ったマスコミがどれだけ巧みな言葉を用いようと、それらしく数字のマジックを用いようと世の中の流れなんてものは逆らいようがない。消費者に受け入れられたシステムと企業側のごり押しでしかないシステムとの違い。ましてやS○NYタイマーなどと揶揄されるものがあるのだとしたら消費者はたまったものじゃない。もはや消費者は賢くなり、企業の押しつける理屈の通らない我が儘につき合う必要のないことに気が付いた。本当に自分たちが欲しいもの、必要なものを自覚しているのだろう。先に製品そのものの本質があり、並ぶ製品を前に迷った時の最後の一押しがブランドの力になる。当然、価格の力はその前で勝負が決する。

元麻布春男の週刊PCホットライン
筆者の考えるところでは、iPodはデジタルオーディオの2世代目のインフラだ。最初のインフラは言うまでもなくMP3である。MP3により音楽はデータとしてのポータビリティを飛躍的に高めた。そしてPCの所有者であれば、誰もが再生可能な最初の共通フォーマットとなった。今や市販されるポータブルデジタルオーディオプレーヤーで、MP3に対応していないものはない。対応しないもの(ほぼすべて国産の製品だが)は、すべて駆逐されたからだ。MP3は、単なるフォーマットというよりデジタルオーディオの最初のエコシステムを生んだインフラだと筆者は考えている。 AppleがiPodで巧みだったのは、この第1世代のインフラと必要以上に敵対しなかったことだ。iPod/iTunesはMP3にも対応しており、推奨コーデックであるAACとどちらを使うかは、ユーザーにゆだねられており、決して強制していない。どうしても前世代のインフラと衝突しなければならない時(新しい規格を強制しなければならない時)もあるが、その場合はユーザーにとっての必然性がなければならない。
物が売れるには必ず何処かに必然性があるもの。それが消費者サイドに依ったものなのか、はたまた他に依ったものなのかはまた別の話であるが。ブランディングは企業が狙って作るものではなく、結果として消費者が勝手に作り上げる時代が来てしまったのかもしれないと思った。狙ったブランドイメージだけで物が売れる時代は過去のものになりつつあるということか。
 
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このページは、たくが2005年9月14日 08:00に書いた覚え書きです。

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