ちょっと重々しいお題。今年の夏は特に暑く晴れた日が多かったこともあって水の事故も連日の様にニュースを賑わしていました。そして当然、ニュースとしては流れていないものも数多くあるわけでして。実際、事故以外にも当事者自らの意志による行動の結末…もあったりして何処までが事故でどこからが一線を越えようとしている行為なのか判断は難しいのですが、少なくともその結末は同じところに辿り着いてしまうのです。わたしの直近でもこの夏(7月と8月の2ヶ月)だけで3件、水の絡むものがあった訳ですが、少なくとも周囲がこれに気付き対応することで最悪の事態を回避することができたという事例でもあった訳です。1件は明らかに事故で周りにいた人が水から引き上げたケース。2件は自らの意志で…沖へ向かったケースでしたが、最初のものは周囲が気付くのが遅れたため、救助が間に合わず流され心肺停止状態で発見、引き上げられ(これは数時間後に聞かされた)ました。幸い、蘇生に成功した様ですが、最後の1件はわたしの目の前で沖へ向かったケースです。
この最後のケースは、明らかにその行動以前から挙動がおかしく、わたしの目には50%の確率で「やるな…」という感じはあったものです。一旦はわたしの視界から消えた(陸でですが)ものの数分後に再び現れた時には、わたしの中では95%確定の見込みに変わっていました。案の定、その人は静かに沖へ向かい始めます。周囲にいた人達は全く気付くことなく。
95%確定の判断を下したあと、わたしはその人から最短で水際へ駆けつけることの出来る位置に場所を移していました。その人がいざ行動に移ったとき、直ぐに駆けつけ声を掛けることが出来たのです。その人はそこで一旦行動を止めます。その間に応援を呼び、結果としてその人を呼び戻すことが出来た訳ですが、その後の公機関への保護要請や聴取など色々とあり疲れた1日ではありましたが、あまり気持ちの良いものではありませんよね。
この1件もありわたしなりに思ったことは、真っ暗闇とは言え周囲に注意を配りその異常に気付くことが出来る人は少ない(実際、周囲は気付いてなかった)のだということ。些細なことかもしれませんが、周りのほんのちょっとのことに気付くだけ、注意して見る人がいるだけで救われる人が出てくるということを言いたかったわけです。
こういった話題はあまり書くつもりなかったんですが、この「本当におぼれている人はおぼれているようには見えない、静かに沈んでいく人に気付くためのポイント」という記事を読んでやはり書いておくべきかな、という気持ちになったのが正直なところ。水場での生死の境目は当に静寂であり粛々と時間が静かに流れていく…そしてその異常さに注意を払って貰えれば水の事故は減らすことができる、ということを多くの人に覚えておいて欲しいという気持ちがあるから。
ということで少しだけ上記の記事から引用してメモしておきます。
これだけのことを注意しているだけできっと多くの人が助かるのでしょう。多くの人にとって水辺が楽しい思い出になることを期待して。
95%確定の判断を下したあと、わたしはその人から最短で水際へ駆けつけることの出来る位置に場所を移していました。その人がいざ行動に移ったとき、直ぐに駆けつけ声を掛けることが出来たのです。その人はそこで一旦行動を止めます。その間に応援を呼び、結果としてその人を呼び戻すことが出来た訳ですが、その後の公機関への保護要請や聴取など色々とあり疲れた1日ではありましたが、あまり気持ちの良いものではありませんよね。
この1件もありわたしなりに思ったことは、真っ暗闇とは言え周囲に注意を配りその異常に気付くことが出来る人は少ない(実際、周囲は気付いてなかった)のだということ。些細なことかもしれませんが、周りのほんのちょっとのことに気付くだけ、注意して見る人がいるだけで救われる人が出てくるということを言いたかったわけです。
こういった話題はあまり書くつもりなかったんですが、この「本当におぼれている人はおぼれているようには見えない、静かに沈んでいく人に気付くためのポイント」という記事を読んでやはり書いておくべきかな、という気持ちになったのが正直なところ。水場での生死の境目は当に静寂であり粛々と時間が静かに流れていく…そしてその異常さに注意を払って貰えれば水の事故は減らすことができる、ということを多くの人に覚えておいて欲しいという気持ちがあるから。
ということで少しだけ上記の記事から引用してメモしておきます。
■ほとんどの場合、おぼれている人にとって声を上げて助けを求めることは生理学的に不可能です。呼吸器系の第一の目的は呼吸することであって、声を出すことはあくまで副次的な機能。呼吸することができて初めて声を出す余裕ができます。
■おぼれている人の口は水面の下へ沈み上へ出ることを繰り返します。口が水面の上へ出ている時間は息を吸って吐いて助けを呼ぶことができるほど長くなく、水面より上に口が出た時には、また水面下に沈む前に急いで息を吸い込むのが精いっぱいです。
■おぼれている人は手を振って助けを求めることはできません。本能的に腕を横に伸ばし、水面を下に押すことによって頭を水面上に押し上げようとします。
■この本能的な反応の最中には、おぼれている人は自分の意思で腕の動きをコントロールすることはできません。生理学的に、水面でもがいている人は助けを呼ぶために手を振ったり、救助者が来る方向へ動いたり、投げられた浮き輪をつかんだりといった「自発的な運動」は不可能です。
■この本能的な反応の間、おぼれている人の体は鉛直に立った状態の姿勢ですが、立ち泳ぎのように足でけっている形跡はありません。救助されなければ、もがきながら水面付近を上下する時間はわずか20秒から60秒ほどで、その後は水底へ沈んでいきます。
おぼれている人の着目すべきサイン
- 頭が水に沈みかけていて、口が水面付近にある
- 首を後ろに反らし、口を開いている
- 無表情でうつろな目をしていて、焦点が定まらない
- 目を閉じている
- 額や目が髪に隠れている
- 立ち泳ぎのような姿勢、脚を使っていない
- 過呼吸または息を切らしてあえいでいる
- ある方向へ泳ごうとしているが前進していない
- あおむけになろうとしている
- 水の中で見えないハシゴを登っているような動き
これだけのことを注意しているだけできっと多くの人が助かるのでしょう。多くの人にとって水辺が楽しい思い出になることを期待して。
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