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キャリア哲学

iPhone 5絡みでなかなか興味深い記事が出ていたのでメモ。

au版「iPhone 5」で真に注目してほしいポイント--KDDI田中社長が熱弁

20120927_kddi_tanaka.jpgこの記事を読む限り、相当数のユーザがSBMからAUにMNPしていることが窺えるのだが、そもそもMNPをしているユーザとはいったいどういった層なのかが重要なのかもしれないと思ったりしてます。MNPしてくるユーザの内、iPhoneを目当てにしている客が8割ってことは、ほとんどがライブユーザということを意味してそうなこと。中には転売やら、手続き上の差分利益目当ても混じっているのかもしれませんけど、その分、回線も移動しているので純粋にKDDIさんは笑いが止まらない状況なのかもしれません。このことはiPhone 5発売直後の、SBMの「まだまだ予約分あります」とKDDIの「予約分が足りないが、可能な限りお客様に迷惑をかけないよう努力…」という両社のコメントに顕著に表れていた気がするんですよね。もうスタート時点で圧倒的な差で勝負が決していたと見るのが妥当かもしれません。

ではこの差はどこから…というものが本日のお題。
 
SBMさんが日本で最初のiPhone導入キャリアだったことは周知の通り。ただ、最初から一貫して『価格勝負』でユーザ数を切り開いてきたことも事実だと思います。他社がiPhoneを導入できないでいる中、一人勝ちの様に見えたものの…決して収益的には満足のいくものではなかったのではないでしょうか。そして何時もつきまとう「繋がらない、圏外」という携帯機器としては致命的とも言える電波状況。LTEが導入されても残念ながら未だにその亡霊と闘わなくてはならない現実。はっきり言ってしまえば設備投資(基地局)に手が回っていない、追いついていない、常に自転車操業をイメージしてしまうということなのではないかな、と思う訳です。

対してKDDIはiPhone 4からの新規参入で後発ですが、もともとIDO通信から引き継ぎ全国をカバーする通信インフラはSBMよりも遙かに強固なものだったのでしょう。そして常に先を見て設備投資して来た感があります。この差がデザリングを即日開始出来るか、4ヶ月後なのかの差であったように思います。早い話が『土管屋が太くて流量の多い土管を準備していた』ことに尽きます。そして両社の料金体系。こちらもほぼ横並びです。しかしSBMでは4Sまでの料金よりは値上げされた体系になっており、以前までの価格攻勢が陰りを見せているのもポイントなのではないでしょうか。4Sまでは従来のフューチャーフォンと同じ設備で回ったものの、今回からは全くの新しい投資が必要になるという点で値上げはせざるを得なかった、というのが正直なところなのではないでしょう。

このあたりの設備やインフラに対する考え方、経営の手法については両社の生い立ちから起因するものであり、必ずしも平等とは言えない闘いであるようにも思えます。そこでインフラ面や、企業としての歴史や設備の充実さで対等と言えそうなドコモとKDDIを比較してみます。

本題としては両社の『サービス』に対する考え方が真逆になりつつある点です。数年前よりドコモは『土管屋になるつもりは無い』と公言しており、嘗てのi-modeに端を発する独自のクローズドサービスに力を入れてきました。頑なにiPhoneを導入しない理由も当にここにあります。その理由は恐らく驚くほど簡単なものでしょう。クローズドなネットワークの中で収益をあげるためのコンテンツ産業と癒着し、既に切り離せないズブズブなところまで来てしまっている訳です。これが『土管屋になれない』理由。

対してKDDIは一貫して『土管屋の務めを果たそうとしている』姿勢を取ります。ユーザがスマホ時代に何を求めているのかを真に理解している証拠なのかもしれません。スマホは基本的に『巨大な高速土管をユーザがそれぞれ好きなサービスを利用するのに使うもの』という原則を当然のごとく受け入れている証拠でもあります。さらにその上でユーザが享受しようとするサービスを探す『手伝い』までしようとしています。この辺りは自社のサービスに限定し、料金をこれでもかと徴収しようとするドコモ(dメニューという誰も求めていないサービス)とは対照的なアプローチなのではないでしょうか。必然、消費者はこの手のニオイに敏感です。ましてやスマホといったこの数年で立ち上がってきたビジネス、ガジェットに飛びつく人達ですから、それなりに嗅覚は優れているのでしょう。そして賢い人達は勢い、スマホの庭に流れ込んで行った訳です。これが世界的な携帯市場における大勢ですし、残る2社が何時、どのように舵を切るのかが今後数年の勝負を決定してしまうような気がしてなりません。

冒頭の記事にあるKDDI田中社長の満面の笑顔が全てを物語っている様に思えてしかたありません。消費者が何を求め、企業として何が提供できるのか。最大多数の幸福とは何であるかを考えた時、自ずと出た結論がこの田中社長の進む道であったように思います。その結果、消費者が自社を選択し、自身の考えを受け入れてくれたことに対する喜び、そして消費者との相互関係を築けた喜びの顕れなのかもしれません。なんとなくですが、消費者と企業が意識を共有したことの喜びの様に感じてしかたありません。
 
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このページは、たくが2012年9月27日 14:10に書いた覚え書きです。

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