先月、ひと目見て惚れ込んだNikon Df。11月28日には販売が開始され、最寄りの量販店にも立ち寄り一通り触ってみて考え込むこと3日間。そして週明けの月曜となる12月2日には何故か大きな箱を手にしている自分の姿が…。
何を隠そう、デジイチはこれが初めてとなる1台目。嘗ては銀塩フィルム機を数台使ってきたものの、F90あたりから始まるコマンドダイヤル式の操作系に拒否反応が出たのかF4以降の機体からは遠ざかってしまい、世の中がデジタル化してもコンデジ以外は全く手を出せずにいたものがここで一気に爆発しちゃった感があります。
とにかく、F4までの銀塩機と同様の操作系が復活しているのが決め手でしょうか。確かにコマンドダイヤルは存在しているのですが、旧来のMFレンズを使用する限りその存在をほぼ無視して懐かしい操作のみでも撮れるというのは何物にも代えられない魅力だったりするわけです。
でもってデジカメ Watchさんに掲載されたこの『ニコンDf誕生に迫る』という記事。開発者さんお二人へのインタビューなのですが、当にわたしが思っていたことを具現化してくれたそのプロセス、そしてコンセプトというものが明確に現われていて非常に共感できるものとなっていました。
先ず、ビックリしたのは、このプロジェクト自体が2009年の10月頃には既に始まっていて、なお機体のスケッチまでなされていたということ。
これを見る限り、わたしが欲しいと思える要素が全てここに含まれていて、このまま製品化されても十分満足を得られるであろう完成度であることが驚きです。個々のパーツの細部は製品とは異なるのですが、それでもカメラとしてのコンセプトは全くブレることなく当初から一貫していることが見て取れるわけです。
個人的にはFA、F4と続くペンタ部の割とフラットなデザインが好きなのでこちらのスケッチ版の方が好みだったりします。製品のFM/FE系に通じるピラミッド&革張りスタイルも保有するFE2と近い雰囲気があって棄てがたいのですが、若干無理しているような気がしなくもないというか…。デザイン的に何とかクラシカルに振ろうとしているとでも言いましょうか。
まぁそれはそれでも、製品全体としては上手く纏め上げられているのでなんら不自然さは感じずに済むのですが、やはり先のスケッチを見てしまうとこのまま出して欲しかったなぁと思わずにいられません。
近年の特徴的な丸っこいヌメっとしたカメラが多い中ではどうしてもその見た目的な部分が注目されますが、実際の機能、性能的な部分において恐らくは現時点での最高のものが与えられていると解釈して良いように思います。
このカメラの当初からのコンセプトの1つに、フラッグシップ機の画質を搭載するというものがありました。フラッグシップ機の画質と言えば、現在はD4とD800の画質になりますが、ある一面だけ優れたものではなくすべての性能が高いユニバーサルな性能を持ったイメージセンサーの方が良い。
画質というものは画素数だけで決まるものではありません。ダイナミックレンジから高感度画質、高感度ノイズの少なさ、低感度域での描写性、色再現、シャープネスなど、総合的な画質においてバランスのよい描写の得られるイメージセンサーを今のニコンのラインナップから選ぶとすると、D4と同じ16Mピクセルのイメージセンサーに自然と落ち着いたということです。データのハンドリングのよさもこのカメラのコンセプトにマッチしています。
解像度一本槍でなく、総合的に優れていること。見た目はクラシカルでも中身はフラッグシップそのものである、という何とも贅沢な仕様というのが嬉しい点なのではないでしょうか。撮って由、飾って由…。ここまで来ると後はGレンズへの絞り環の復活だけなんだよな…。
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