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現像ソフトの特徴や違い、比較してみた

主にニコンのデジタルカメラを使っていてRAW画像ファイルをどうしようか?という前提でのお話です。世の中RAW画像ファイルを現像可能なソフトは数多あるので「どれがいいのか?」という漠然とした疑問の中からその時々で最適なものをセレクトしていければ良いなぁというささやかな望みを持って比べてみたりしてるわけです。

でもって比較に使用した画像はニコンDfで撮影したものを用意。カメラ側の設定はピクチャーコントロールはスタンダード、ホワイトバランス(WB)はオート1(標準)。でもって晴天の日に陽が当たっており日陰も存在し、尚かつ光り物まであって反射モノまであるというまぁゴチャゴチャした写真をセレクト。当然、RAW + JPG(ファイン)記録の設定でカメラの撮って出しJPG画像を比較の基準としています。

RAW現像比較

今回RAW現像の比較で用いたのが上の写真。そう言えば見たことがあるような…ということで過去にポストした写真を再活用です。

RAW現像の環境としては、Mac Pro E2008、Mac OS 10.6.8(Snow Leopard)ということで『ViewNX 2』が『Ver.2.8.3 JP』、Capture NX 2が『Ver.2.4.5 JP』、PhotoshopはCS4にCamera RAW 5.7を入れたモノを使用。NX系は現在の最新バージョンの一つ前になってしまいますが特に問題は無さそうなのでアップデート無しで使っていく(と言うか、アップデートしちゃうと起動しなくなってしまう)ことにしました。LightroomはやはりNX系同様、バージョン5はスノレパ非対応なのでバージョン4.4のまま。

何れのソフトも起動時および画像を開いた時の標準設定状態(補正値)として使用。またLightroomはニコンのNEFファイルを直接開けないので『Adobe DNG Converter 8.3』で一旦DNGファイルにコンバートしてから開いています。ちなみに③と⑨は機能比較の為画像加工が入っています。

 

①ニコンDf 撮って出しJPG画像

先のカメラ設定で撮影した写真で、カメラ内現像でJPG画像として吐き出されたもの。一応この画像を基準として比較していきます。

ViewNX 2 Ver.2.8.3 JP @P/Cスタンダード

ViewNX 2 Ver.2.8.3 JPでピクチャーコントロール(P/C)を『スタンダード』のままで現像したもの。当然、各種補正は無しとなり、撮って出し画像に近い仕上がりになるようです。敢えて書けば、明るさ(露出?)が0.1段分ほど明るく出ているかもしれません。

ViewNX 2 Ver.2.8.3 JP @P/Cビビッド

ViewNX 2 Ver.2.8.3 JPでピクチャーコントロール(P/C)を『ビビッド』に変更して現像したもの。全般にコントラストが強くなり、色彩の彩度が上がってメリハリが強くなります。柔らかな空気感といったものよりもパリッとした硬調な仕上がりになってきます。

Capture NX 2 Ver.2.4.5 JP @P/Cスタンダード

Capture NX 2 Ver.2.4.5 JPでピクチャーコントロール(P/C)を『スタンダード』のままで現像したもの。こちらは『カメラ設定』の項目で『ノイズリダクション』の『適用量が1』『シャープネスが5』かかっており、『イメージダストオフ』『自動倍率色収差補正』がオンになっています。撮って出し画像に最も近い仕上がりになるようです。

Capture NX 2 Ver.2.4.5 JP @P/Cビビッド

Capture NX 2 Ver.2.4.5 JPでピクチャーコントロール(P/C)を『ビビッド』に変更して現像したもの。『③ViewNX 2 Ver.2.8.3 JP @P/Cビビッド』同様の仕上がりで、全般にコントラストが強くなり、色彩の彩度が上がってメリハリが強くなります。柔らかな空気感といったものよりもパリッとした硬調な仕上がりになってきます。

Capture NX 2 Ver.2.4.5 JP @P/Cビビッド+カラーポイント調整

Capture NX 2 Ver.2.4.5 JPでピクチャーコントロール(P/C)を『ビビッド』に変更し、尚かつカラーポイント(C/P)調整を行ったもの。C/P調整は空(元画像では白く飛んでいる部分)と右上のビル上部の白い造形物部分(空を調整した際に青転びするので元の色に戻すためC/Pをセットして調整)。あくまでも機能比較という点では数多のソフトの中でもピカイチの機能、操作性だと思います。恐らくはこの機能の為だけにCapture NX 2を使い続けている人も多いのではないかと思います。

⑦Photoshop CS4 + Camera RAW 5.7

ここから以降はAdobeさんソフトになります。Photoshop CS4にCamera RAW 5.7を組み込んだもの。どちらかというと、0.2段〜0.3段分くらい暗めに出る傾向があるように思います。右下の植樹の辺りを見ても分る通り、暗部が少し沈んでいく感じでしょうか。NX系のビビッドに近い雰囲気を出しながらも彩度はあまり高くし過ぎない印象です。標準で『色かぶり補正 5』『明るさ +50』『コントラスト +25』という設定になっています。

⑧Lightroom 4.4 @標準

Photoshop Lightroom 4.4の標準(初期状態)でDNGファイルを開き、そのまま何の追加補正も入れずに現像したものです。初期補正値は『色かぶり補正 +5』『黒レベル 5』『明るさ +50』『コントラスト +25』、ディテール部分のシャープが『適用量 25』『半径 1.0』『ディテール 25』、ノイズ軽減が『カラー 25』となっています。仕上がり的にはほとんど『⑦Photoshop CS4 + Camera RAW 5.7』と同じ様に見えますが若干彩度が高いかな、といった感じでしょうか。『⑥Capture NX 2 Ver.2.4.5 JP @P/Cビビッド』よりは少し大人しいレベルとでも言いましょうか。

⑨Lightroom 4.4 @標準 + レンズ補正

『⑧Lightroom 4.4 @標準』にレンズ補正の『垂直方向(疑似あおり補正)』『回転(垂直出し)』『拡大・縮小(クロップ、トリミング)』機能をかけたもの。24mmという広角レンズで撮ったものでもここまでソフト上で擬似的にあおり補正が簡単に出来てしまうという意味で重宝する機能だと思います。これだけでもLightroomは使う意味があるんじゃないかと思っています。

 

今後のソリューション…

恐らくは、露出やコントラストを調整する程度なら『ViewNX 2』か『Capture NX 2』でサクッと終わらせ、部分的な色調や表現が必要であれば『Capture NX 2』。さらにあおり補正が必要になるなら『Capture NX 2』からNEFで書き出しDNGにコンバート、Lightroomで読込み調整…といった流れなんだろうなぁと思ってます。パット見た目キレイに出て来るのが『Capture NX 2』、細かい微調整が必要になったらLightroomといったところでしょうか。使い分けるにしてもちょっと面倒臭いですがオールインワンなソフトではないので致し方ありません。それぞれの良い点をつまみ食いしながらチマチマやっていくしかないと思っています。

追記:

先般公開された次期同梱ソフト(予定)の『Capture NX-D(ベータ版)』でも同じNEFデータを現像してみました。

Capture NX-Dテスト

Capture NX-D(ベータ版)』の中身は市川ソフトラボラトリー社の『SILKYPIX』と言われてますが、これまでのNX系とは異なる発色を示す様に思います。『Capture NX-D(ベータ版)』のスタンダード(ピクチャーコントロール)とこれまでのNX系におけるビビッド(ピクチャーコントロール)が割と近い印象。露出(明るさ)的に約1/3段分くらい沈み、色気的には彩度がかなり上がっている雰囲気です。また、『Capture NX-D(ベータ版)』のビビッド(ピクチャーコントロール)がAdobe系の露出(明るさ)に近く、彩度は他のどのソフトよりも高い印象。ある意味、強烈とも言えるほどの派手な発色を示しそうです。あと、何故か少しマゼンタに転ぶきらいがありそうな…。気のせいかもしれませんけど。

何となくですが、彩度をガッツリ上げられちゃってる感じなので微妙な空気感とか、柔らかい雰囲気を表現するのは苦労しそうな予感。近年ではデジカメとしても解像度がかなり上がり、色をこれでもか!と強調してくるのが流行りなのかもしれず、こういう画作りがウケが良いのかなぁとも思うんですが何か作り物っぽく見えちゃって残念…というか、気が引けちゃいそうです。

 

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このページは、たくが2014年3月 8日 15:09に書いた覚え書きです。

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