明け方まで降り続いた雨も上がり、天気も良くなってきそうだというのでV3をもってお散歩へ。延べ5時間近く歩き続けるというトチ狂ったお散歩。
家を出てから真っ直ぐ海へ向かい、直ぐに国道134号線へ出てひたすら東へ歩く。国道沿いにあるサーフショップの鮮やかなボードとショーウィンドウのデコレーションが目に飛び込んでくる、と同時に構えてシャッターを切る。良く見るとピントが迷子。あれれれ?AF何処行った!?帰ってこーぃ。
まぁこんな感じで東へ東へと歩を進める。
ワイド端寄りでマクドナルドの前を通る。中学生の頃に夜な夜なお世話になった店だ。今も昔もここにある。夏のひと月で他店舗の一年分を売り上げると言われるマンモス店だ。ただ今はシーズン前なので閑散としている。
歩道から抜けた空と手前の巨大看板を入れて。こうやって見てみるとワイド寄りではかなりパースが付いているのが良く分かる。35mm換算だと30mm付近に相当。それほど極端なワイドという訳でもないんじゃないかと思うのだが、センサーが小さいとこういったところも誇張されるのだろうか。
国道に面したマンションのエントランスをワイド端で正面から。こうやってみるとあまり気になる歪曲などはあまり見受けられない(気がする)。撮って出しjpg(補正on)とRAWデータで比較するとワイド側ではかなり補正が入っているのが分かるのだが、こういった様に真正面から水平(見かけ角度無し、仰角±0度)みたいな条件では補正の必要性もあまりないのかもしれない。
江ノ島へ渡る橋のたもと、東浜のあたりで急降下爆撃機よろしく食べ物を狙うトンビの群れを逆に迎え撃つ。遠足だか卒業旅行だか集団で訪れていた高校生達のお菓子でも狙っていたのであろう。そのトンビをテレ端で適当に追っかける。AFもピントが合ったかどうか確認している時間も無いのでバンバンシャッターを切る。これがほぼピントが合ってくるのが素晴らしい。というか面白い、楽しい。もの凄いスピードで滑空してくるトンビに向かって狙いを定めシャッターを切るだけでバッチリなのだ。
あまりにも楽しいので今日の散歩で一番時間を使ってしまった。とにかく360度の全方位から飛んでくるのでこちらもその場でグルグル回りながら上を向いているのだが、太陽を背負った被写体もこの写りなのだ。キット付属の1 NIKKOR VR 10-30mm f/3.5-5.6 PD-ZOOMレンズ、フィルタ枠が無いのでフィルタはもちろん、フードも付けられない代物なのだが、ハレ切り無しにフレアもゴーストも出ない。そしてシャドー部もちゃんと残っている。オマケズームと侮る無かれ、実は凄いレンズなのかもしれない。(公表やマークこそ無いけど密かにナノクリアだったりして…)
トンビとの迎撃戦はお腹いっぱいになったので東浜をそのまま腰越方面へ歩く。西浜(〜辻堂〜茅ヶ崎方面)はサーフィン、東浜はウィンドサーフィンが主流。小動岬と江ノ島の東端にあるヨットハーバーとに囲まれちょっとした入り江状態で波が穏やかなのでセールものに向いているのだ。テレ端でボードを狙ってみたが、浜の砂の粒子感、波打ち際の濡れた辺りの質感がちゃんと出ていて感動である。
そのまま更に東へ。小動岬にある小動神社の手水舎(てみずや)でのカット。21mmなので35mm換算で56mm相当。所謂、標準域。ちょっと暗め(屋根の下で日陰が多い)でウエットな雰囲気を…と思ってもV3は超優等生なのでバッチリ写ってしまうのが困りもの。やはり想定されるターゲットが記念撮影やお手軽にキレイをなのでバッチリ写りになってしまうのだ。デジイチの様に作品を〜という方向性では無いらしい。なのでRAWファイルのシャドーや黒、白、露出などを落しまくってナンとかイメージに近づけてみる。センサーが小さいため思い切りが良すぎると潰れてしまうので大変だったりするのが難しいところ。
同じくこちらも小動神社の狛犬さん。やはり暗所でもバッチリ写りなのでRAWから落としまくりで。何時でも何処でもバッチリ写る反面、アンダー寄りの雰囲気はちょっと苦手らしい。この辺はセンサーが小さい故のISO感度の幅が狭いことが原因なのか、明暗の中での表現の幅が狭い(あくまでもフルサイズセンサーのDfと比べての話)ってことなのではないかと思うのだ。ある意味、センサーサイズが小さいほど上手に表現するのは難しいのかもしれないと思うのでありました。
この後懐かしい鎌倉高校前あたりまで脚を伸ばすも失敗作を連発してしまい挫けて引き返すことに。歩きづめで疲れたのとお腹が空いたのでこの通りにあるラーメン屋で遅い昼食。
店から出たところバッチリのタイミングで下り電車が江ノ島駅を出てきたのでパシャリ。良く見るお決まりのシーンなのだ。昔から見慣れた景色であり、また高校へ通うのに乗っていたにも関わらず江ノ電の写真をほとんど撮ったことが無かったので新鮮だった。江ノ電はさておき、それにしてもこの商店街の変わりようが少し寂しいことになっていて驚いた。何件か今年、昨年で廃業してしまっていたり、高校生の頃には一件も無かったラーメン屋が数件あったりで時代を感じせざるを得なかったのだ。(高校生当時はこの付近でラーメンと言えば龍口寺の門前に出る屋台と大橋の袂付近のオデンセンターの銀鍋で出してくれた海鮮出汁の塩ぐらいしか知らない)
日蓮宗霊跡本山寂光山龍口寺である。やはりバッチリ写りなのである。中門から本殿を狙って重圧感を…と思っても快晴バッチリになってしまうのだ。やはりRAWでゴニョゴニョして精一杯の努力の跡。コントラスト差のある画はかなり苦手なのかもしれないという1枚。でも屋根の質感とかちゃんと出ているのが流石。
相当疲れてきたので片瀬江ノ島駅から最寄り駅の鵠沼海岸駅まで1駅だけ電車に乗ってしまった。電車から降りて目の前の改札を抜け、振り向きざまにワイド端でワンショット。やはり明暗差のある画は苦手だ。辛うじてステンレス車両の金属感が残ったというレベル。潰れてないだけマシか…というのは少し寂しい。
とまぁ色々なシーンやパターンを試してみた結果、個人的に思ったことを纏めておきます。
▼明暗差のある画は苦手…
センサーサイズの小ささからくる物理的な課題かも。表現出来る明るさ暗さの幅が思ったより広くなく、明暗差のある画では工夫が必要。
▼AFは完璧。カメラ任せで…
所謂コンデジだとシャッターを押し、ピントを合わせ始め、やっとシャッターが切れる、という間があるのが普通だけど、このV3はシャッターを押した瞬間カシャっといきなりシャッターが切れるのだ。それも完璧過ぎるぐらいピントが合った上で。これはある意味脅威であり最大の武器。
▼撮って出しjpgは癖がある…
意外だったのは撮って出しjpgの色が薄味で少し黄色味がかっていたこと。RAWと比べてもその差は明らかで好みの分かれるところかもしれない。その代わり暗部は決して潰れることなく撮りたかったモノを確実に見せて貰える安心感は流石。
おまけ:
調整が必要かもーに該当していた電子ビューファインダー DF-N1000、自分のモノは普通に着脱出来る様なので特に気にする必要はないかもしれない。まぁ念のため時間があれば見て貰っておこうぐらいなのかな。
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