一部巷で言われてるアレ、雑な言い方をするとポップコーン現象とも言われてるアレです。まぁどうしてこうなっちゃうのか…と少し考えながらちょっとだけ試してみましたよ、というお話です。
で、そのポップコーン、どんなものかと言いますと、
はい、こんな感じですね。これはカメラ側の撮って出しJPGファイルをPhotoshopで開いて等倍表示して画面をキャプチャしたもの。見事…というか、綺麗な油絵…じゃなくて、写真のハズがってことになっちゃってるわけです。
でもって、どうしてこうなっちゃうのか?と、考えたワケです。
そこで手っ取り早くカメラ側の設定かナニカなのだろうか?という点に注目。何となくですけど、影響のありそうなポイントに仮説を立てましてですね、
【撮影メニュー】→【シャープネス】→【H/MH/STD/MS/S】
のあたりを変えて試してみたのであります。ちなみに上のサンプルはミディアムハード(MH)で撮影したもの。ということで場所や時期、対象は異なりますがスタンダード(STD)、ミディアムソフト(MS)にして撮影したものとザックリ比較なのであります。
でもって元絵は何れもカメラ側で記録された撮って出しJPG画像。
機材は何れも『X-T1 GS + XF16-55mmF2.8 R LM WR』、カメラ側JPGの撮って出し、ほぼ遠景の風景で樹木が対象で共通。異なるのは先に記載した撮影メニューの『シャープネス』の項。左からミディアムハード(MH)、スタンダード(STD)、ミディアムソフト(MS)の順。
これらでどう写るのかやはり等倍で抜き出して比べてみるのであります。
先ずはミディアムハード(MH)から。
世の中、カリカリシャープ鬼解像が持て囃され、ガンガンシャープネス効かせてエッジバリバリが大好きな人達が陥りそうなポイントです。確かにエッジは効いてますよね。問題はその線の内側、ベタ塗りになっちゃってるというか、何の諧調も無くベタっとした感じです。
次いでスタンダード(STD)。
若干、MHよりはエッジがぼやけてきました。その代わり、個々の葉っぱの微妙な諧調が描かれています。何となくモヤッとした雰囲気があって「まぁ普通だよね」って仕上がりです。たぶん、カリカリ好きには耐えられない表現なのでしょう。
最後にミディアムソフト(MS)です。
はい、柔らかい描写ですよね。何と言うか、色数が段々増えてきてます。カリカリ好きさんにはもう耐えられない写りの様です。ここまで来ると完全にポップコーンとは言えない明らかに葉っぱ然とした写真になります。
ということでフジフイルム機のカメラ現像では『シャープネス』を掛ければ掛けるほど細かい部分の諧調が飛び、どんどん単色化してベタ塗りになる傾向がありそうです。ここで、「何でだよ!?」って思いますよね?
なのでまたまた仮説です。
FujifilmさんはJPGを描くときに『シャープネス=エッジ線の太さ』で処理してるのではないだろうか?というもの。ポップコーン的なものってある程度細かい描写が必要になる部分に発生するので、今となっては低画素とも言える1600万画素しか無い故の到らぬ描写になってしまっているのではないかという考え。
ということでサンプルです。
左からハード、スタンダード、ソフトのイメージ。使用している色は全て同じ。早い話が、シャープネスを強くすればするほどエッジを立たせようとして円を描くラインが太くなる=太い線でくっきりさせたい為に塗りつぶされていってしまう、ということではないかと思うのであります。なのでソフトになればなるほど綺麗なグラデーションが残り、ハードに振ればエッジの色だけが残ってしまうという…。
この塗りのサンプルはある程度の大きさがありますが、これが僅か数ピクセルのサイズで表現しようとなると完全に潰れてくる世界なのではないでしょうか。
上の検証サンプルは一角が160ピクセルの正方です。試しに一角を16ピクセルに縮小して見てみましょう。
はい、円を描く線が太くなると内部の陰影が見事に消えます。これがフジフイルムさんのカメラJPGの正体だったのではないでしょうか。
早い話が「フジフイルムさんは線の描き方が下手」ってことなんでしょうけど。ということでカリカリ病にかかっちゃってる人達にとってはフジフイルム機は今のところ向かない様です。解決策としては『RAWでシャープネスをソフトに振って撮り、現像で何とかしてね』、ぐらいなものでしょうか。
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