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通信インフラの使命とユーザが求めるモノ

20100730_docomo_xi.png昨日、NTT docomoから新しいサービスに関する発表がありました。「Xi」というものです。これまでのFOMAに取って代わると言われている代物で、ちょど3Gと4Gの中間的な位置づけでしょうか。実質、LTE(Long Term Evolution)であり国際標準になりそうな通信規格でもあります。下り最大75Mbps、登り最大37.5Mbpsという夢のような環境がもうすぐ、という印象を受けますよね。当然ながらこの速度は最も条件が良い場合の理論値に過ぎませんが、これまでのFOMA回線から比較すれば格段の違いになることでしょう。

そんな折ですが、本題。ユーザにとってはちょっと首を傾げたくなる記事が本日Webに掲載されています。
――AndroidなどオープンOSを搭載したスマートフォンの普及が進むと、通信事業者による垂直統合型ビジネスモデルが変化せざるをえないのではありませんか。

辻村 携帯電話やスマートフォンでは、電源を入れたときに最初に立ち上がるファースト画面に非常に価値があり、それを誰が押さえるかが重要です。ドコモの携帯電話のファースト画面は我々が決めていますが、Xperiaはソニー・エリクソンが決めています。すなわち、スマートフォン化が進むと、通信事業者の土管化リスクが高まる可能性があります。
えーっと、何を言っているのか理解出来ませぬ。何故、土管屋が土管業に徹してリスクになるんでしょうか?意味不明です。通信事業者は契約者に土管を提供し、その通行料をせしめることで生業としているのではないでしょうか。その土管屋が土管化がどうのってのはユーザ舐めてませんか?

話を少し整理してみたいと思います。これまでdocomoは土管業を営む傍ら、土管の中に様々なサービスと称するマンホールを幾つも仕掛け、物事の見極めのできないユーザがお金を零していく罠を張り巡らしているわけです。これはdocomoだけではなく、外から集まってきたハイエナの様な企業から店子料を掠め取り、土管の中で出店を開くようなことも行ってきました。これが所謂ガラパゴスと言われるi-Mode netの正体です。これら閉鎖環境でdocomoに寄生する搾取企業とグルになって土管の通行者から金をむしり取って来たビジネスなんですね。着うたなどがその代表的搾取ビジネスです。(ユーザ自身が購入したCDから曲を取り込み着信音に設定することに違法性は無いハズ。敢えてそこには踏み込まないことにします)

そして左近のスマートフォンブームです。実はこのスマートフォンの存在が先の搾取ビジネスの存在を脅かしているということを言いたかったのです。では何故、このスマホが既存ビジネスを脅かすのか…。

スマートフォンはみなさんがご存じの通り、PCが小型化して通話機能を持ってしまったと考えれば分かりやすいでしょう。これまでの携帯電話機は各キャリアがその仕様から機能までを激しく管理し、キャリア自身に都合の良い機能のみを提供、都合の悪いものは徹底的に制限、排除してきました。そのお陰でdocomoはガラパゴスな世界を築くことが出来たとも言えます。しかしスマフォはどうでしょう。キャリアに都合の良いものが使えなかったり、都合の悪いものが無制限に使えてしまったりするわけです。土管の中は何時の間にか重量級の大型車ばかりになれど、マンホールにお金は落ちない、出店には立ち寄らない、ただもの凄い勢いで通過していくだけ…となるわけです。当然、縄文時代のビジネスは成り行かなくなります。

現在の状態(スマフォを売る気の無い状態)で全体の6〜7%程度しかスマフォが無いものの、米国ではすでにスマートフォンの割合が20%を超えていることから何れは近い将来、同程度の割合までスマフォになることは明らかに予測の範囲でしょう。全ユーザの5分の1がスマフォに流れ、土管の中でお金を落さなくなる…状態がすぐ目の前まで来ているわけです。さぁ困りました。

そこでdocomoは考えました。ユーザの需要は無視してとにかく自分たちに都合の良い様に考えました。その結果出てきた答えが…スマフォをガラパゴス仕様にしてしまおう、という信じられないものだったのです。そもそも、スマフォを選択する理由というのがガラパゴスにNoを突きつけたものであるはずです。自分たちで使いたい機能は自分たちで準備する、キャリアに求めるのは高速、大容量としての土管の機能だけ…でしょう。可能であるならば低コストであること。そういう利用者が今後20%もの割合に達しようとしている訳です。

これらはSBやAppleのiPhoneが潜在的なユーザを刺激し、完全に眠りから叩き起こしてしまっています。一度快適な土管とクルマの味を知ってしまうと嘗てのガラパゴスな世界には戻れないでしょう。そういった意味で、docomoの出した答えは時代錯誤、トンチンカンなものであると言わずにいられません。

さて、では残ったガラケーユーザにとってはどうでしょうか。Closedなi-Mode netの中、即ちガラパゴスの飾りが増え出店が増えることはもしかすると歓迎なのかもしれません。ただし、「既存のガラケーユーザに対しては」です。何故なら他社も含め、新しく携帯ユーザになろうとしている人はガラケーを選定するにあたってガラパゴス世界の色を各社間で比較してキャリアを選ぶ人は少ないからでしょう。多くはキャリアとして土管の入り口が豊富であること、通話コスト、ガラケー自体の機能とデザインで選んでしまっているのではないでしょうか。そうなるとガラパゴス世界を彩ることに新規ユーザ獲得の効能は期待できませんよね。

今後、これまでキャリアに搾取されてきたガラケーユーザの20%はiPhoneに代表されるスマフォを、都合の良い土管を自らの意志で選び使っていくことになるのでしょう。そうなった時、果たしてdocomoにはどのような結果が待っているのでしょうか。今のままだとこの結果が安易に想像出来てしまうあたり「終わってる」なのかもしれません。
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このページは、たくが2010年7月30日 17:45に書いた覚え書きです。

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