Ai Zoom NIKKOR 35-135mm f3.5〜4.5なのである。永らく家の押し入れの中に眠っていたものを引っ張り出してきた代物。所謂、直進ズームと呼ばれるピントリングを長尺方向に伸したり縮めたりしてズーム倍率を変更するタイプなのである。ここ20年ぐらいはズームと言えばズームリングと呼ばれるズーム単独のリングを回す仕組みになってしまい、この直進ズーム方式の製品はほとんど新製品として登場することはなくなってしまった様に思う。この直進ズームの利点はピントリングとズームリングが同一なため、ピント合わせとズーミングを同時に行える…ということだったのだが、それが逆に意図せぬピントズレやズームにより倍率が変わってしまうというマイナス面も併せ持つことになってしまっていた訳で後の回転ズーム1本化の大きな理由になってしまったのかもしれないと思うのでありました。あと、カメラに装着し縮めた状態で持ち歩いていても、レンズの重量(ズームブロックというか、前玉の重さというべきか…)で勝手に伸びてしまう、それもグワッシャーンという勢いで…のも携帯性というか、取り回しの難しいレンズということになってしまった理由なのかもしれない。
でもって件のズームレンズである。朝陽を浴びる庭のジンチョウゲ(沈丁花)を135mm側のマクロ機能を使って試験撮り。
便利ズームだし、絞りも7枚羽でボケも丸くならないし、30年も前から転がっていたモノだしでさほど期待はしていなかったもののそれなりにはちゃんと写る様だ。半ば逆光寄りで撮影していると豪快にフレアは出るわ、ゴーストの嵐になるわで大変なのではあるが、ちゃんとハレ切っておけば今時のオマケズームと違わぬ、というか上回る性能を発揮してくれそうな感じがしないでもない。
解像的には最新の単焦点レンズには及びもしないものの、ややソフトフォーカス的な味付けだと割り切ってしまえば許せるレベルなんじゃないかと思うのだが。まぁそれでも流石はNIKKORの名を冠するだけの製品。いくら古くともそつ無くそれっぽく写ってくれるのだから感心してしまう。
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