何処まで書いてしまっていいのか、それとも書くべきなのか迷ったのだが、中庸ということで思うところを少々。先般、東京電子自治体共同運営サービスサイトの開発元の方とお話をする機会があった。その中でよくセキュリティ方面の話もするのだが、それはあくまでもオフレコでの話。恐らく担当者は別にいるだろうから、単に思うところを言い合っているに近い。確かに、メールでも幾らかそのような話題については、触れる程度のこともあったのだが、個人的に最も大きな衝撃を受けたのが先の東京電子自治体共同運営サービスサイトのドメインだった。オリジナル・ドメインかと思ってよく見ると、なんとlg.jpドメインなんですよ、これ。公的機関としてWebで使用するのは恐らく全国初(裏なし、他にもあるのかな?)なんではないかと思うのだが、これには経緯があって、彼の「高木浩光@自宅の日記 - 信頼あるドメイン名の意義を軽視する地方自治体の愚行, WIDEはど素人か, RFIDタグのデータを暗号化することが禁止される事例」に載った記事をモロに受けていたというのだ。ちょうど、ドメインを取得して被せるという時期に件の記事が出たお陰で、先の企業は俊敏に反応したということになる。話を聞くに、当初はホントにオリジナルのドメインでいくことになっていたらしい。それがあれほどの大企業でもあっさりと転換できてしまうことに少し驚いたというのが本音。聞くと、やはり先の記事があって慌てて変更した…とおっしゃってた。こういった記事は、ネガティブな面は書きやすいのだが、このような良いもの、いいことは直ぐに取り入れ、対応する「姿勢」の面は、ある意味「当然」であり「やって当たり前」だから別に書くべきほどのことでもないのかもしれない。しかし、今の日本ではこういった意識が希薄であり、また周知徹底もされていないという事実も考慮すると、良い対応をしたところについては、どんどん誉めることすら必要なのかもしれないと思うのであった。メディアとしては、事件、事故、穴ばかりを出すのではなく、手本となるものも「良い事例」として広めることが、日本全体のITに係わる意識や環境の向上に繋がっていくことになると思うのだがどうなんだろう。
ちなみに、件のシステムは、別の記事で指摘されている「あまりにも使えない」仕組みだったりするので、中身であるとか、機能的なものについては個人的に疑問符が果てしなく続く代物。従ってここでは中身についての評価は行わない。あくまでも利用者に見えるドメインのところのお話。最後になってしまったが、件の企業についてもここでは述べるつもりもない。あくまでも「lg.jp」をwebで使用していることに対するお褒めということで。
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