もう日付が変わったので書いてしまってもいいかな。思えば永いこと携わってきた仕事のお話。傍目にはつまらない内容なので興味の無い方は読み飛ばしてくださいまし。そうそう、過去にログでこの事業に係わる事業者さんからチェック入った記憶もあるのでそれなりに含みを持たせた表現になりそうです。お許しを。
昨日の時点で一昨年から始まった某案件のカットオフとなりました。所謂左近流行の「平成の…」ですね。えぇ、旧法上では来月末で期限を迎える「飴のあるなんとやら」です。正確には借金の先送り以外の何者でもないんですが。まぁことの真意は置いておくとして、昨日がその「お約束の日」だった訳でして。地域丸ごと名前が変わったということです。ちょっと時間を巻き戻します。一昨年の初夏にコンペでこの仕事を勝ち取って参りました。当時は既に先進事例として1件無事に終わった後でしたし、ある意味楽勝にも思えたということも手伝ってますが。対象となるのはごく狭い、でもかなり環境の良い地域の3団体さん。そこから事業の柱となるべき青写真を書き始めた訳です。正確には3団体さんが出資する(正確にはこの表現は間違ってはいないが別の呼び方が正しい)法定なんたらがお客さんになるんですけど、これがまた若い方ばかりなんですね。当然、出資元の体質からして、もっとお歳を召された方がいっぱいいらっしゃいまして、様々な手続きを通していくのもそれはそれは大変な作業でございました。
この時点ではまだ本格的な作業といったものは無く、あくまでも全体としての最終的な落としどころを探る…というか、シナリオを練っている時間でもあります。秋口に入ると何故か住民とーひょーなるものが発生。1団体さん離脱という想定されたイベントまでございました。が、逆隣さんが入れ替わりに参加するという予想通りの展開に進み、年が明けたころ、つまり昨年初頭には大がかりなシステム、そう、団体さんが仕事をする上で無くてはならない仕組みごっそり全ての調達プランがやっと固まりました。金額的にはン億程度なので大分安くはなってきてますけど、やはり一桁とはいえ億なんですよね。そんなこんなで初春には業者さんも選び出しました。しかしここに来てまた難題が立ちふさがります。えぇ、お決まりの「まつりごとをおさむる」ところからのちょっかいです。ということでわたしも一大決心しましてですね、脅しに行きましたよ、くみちょーを。刃物とかそういう物騒なものではなくてですね、「議会にばれると予算凍りますよー」って囁いただけですが。
そんなこんなで落としどころに向かって一応は転がり始めました。あとは現場を巻き込み、現場に頭を使ってもらい、考えさせ、全ての関係者の意識を特定の方向へ向けてしまえば良い訳です。お客さんも大方はこのレールに自然と乗ってくれました。これがゴールデンウィーク頃ですか。ところがというか、やはりというか懸念事項が日増しに大きくなっていきます。プロジェクトの最大のミス要因はやはり人でございます。この例に漏れず、この課題は日を増して影響を大きくしていきます。お盆まで促し、諭し、カバーしましたが限界でした。これ以上は致命傷になりかねません。よって圧力鍋…じゃなかった、それなりの力を発動することになってしいまいましたが致し方在りませんね。
そんなこんなで秋口にはベストに近い体制が整います。出だしで躓いた分を取り戻すかの如く突き進みます。って書くと凄そうなんですが、やはりお客さんは付いてこられませんね。ちょっと方針を大枠の方へスイッチします。早い話が詳細は先送りの刑…もとい、必要最低限でクリアする作戦です。生みの苦しみを将来に持っていってしまうということは、それなりに失うものはあるのですが背に腹は代えられないと言うことです。今現在周りの評を見ると当にその点が指摘されてますが、優先するのはとにかく完全な形で稼働することです。お客さんの仕事の特性からして、止まるとか、代価で保障といった手段がとれません。これが企業サービスとの一番大きな違いでもあります。
正月前後になると「あとふた月」というイメージがあるのですが、実質稼働日って30日程度しか残ってないんですよ。1月は祝日が多いし、お客さんは土日休みだし。もうイケイケで突っ走るだけです。細かいことはもう構ってられません。とにかくその場で全て決定を下していきます。擬議を大勢でグルグル回して畳んで延ばして押したり引いたりしてる時間、無いんですね。そんなこんなでこの1週間は最後のラストスパートよろしく必要なものだけ取り出して片付け、後にまわすものを積み上げる作業の連続でございました。
そして当日、昨日のことですが、無事、新しい仕組みが動き始めました。(正確には昨年初冬から動いてはいるけど)ひとまず大きなトラブルは無い様です。そしてこのトラブルが無いことが一番重要だったんです。みずほさんや北関東の某団体さんのようにシステムトラブルで「止まる」様なことが無いことこそ最大の目標でもありましたから。細かいことを言えば、新しい体制に課題があるとか、システム面では時間切れで議論の余地無く通してしまったものなどもありますが、何れ改善はされていくことで解決されます。ただ、唯一悔やまれるのは身内から次から次へと出てくるボロをお客さんに指摘されはじめたこと。わたしとは畑が違う分野ではありますが、全てのインフラにあたる部分だけに当初の広言が何だったのかと思わずには居られなくなります。
そして積み残しをどのように処理していくか、既に検討が始まっています。新しい担当者と、これまでの担当者が顔を揃え、知恵を出し合い、将来を考え、あるべき姿を見始めています。お客さん自身が自分たちのあるべき姿を模索し始めました。素晴らしいことです。これまで慣習や決まり事としてそういった発想の無かった世界の中に、良くしていここう、改善しようという気風が流れています。誰の顔も晴れやかでした。まだ契約が残っていますが、この調子ならきっと素晴らしい答えが出せるのではないかと思えてきます。この席に着いた方達はまだみんな若いんですよね。まだ中間でしかない立場ではありますが、近い将来、彼らがこの地域をもっと素晴らしいものにしてくれることを期待せずにはおられません。茨多き道なれど、彼らの行く先に幸多きことを願いて。
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