『CP+2016』も終わって各社さんの力の入ったニューモデルも一通り出揃った感がある今日この頃。個人的に一番ホットというか注目ポイントだよね、と思う所をそれとなく書いておきます。
それはズバリ、ニコンの『DL』シリーズ。はっきり言って「いきなりそこへ行っちゃうのかよ…」と思っちゃったぐらいのインパクトはあるのでありました。
だってだってですよ?ニコンさんは1型センサーモデルだと『Nikon 1』を何年も前から展開してきてるワケです。更に言えばコンデジの延長とも言えるほどのコンパクトさで『Nikon 1 J5』というある意味1型最強(写りも機能も…)とも言えるほどのモデルが昨年出たばかりでもあるのであります。まぁ確かにミラーレスという括りにされてコンデジという土俵には含まれないのかもしれませんけど。
そこに『Nikon 1 J5』のセンサーとニコワン(ミラーレス)には無い明るい固定式レンズを奢って『僕の考えた最強の1型カメラ』を出しちゃうってんだからビックリしない方がおかしいんじゃないかと思うのであります。だってモロに『ニコワン』と被る(ユーザ層にせよ用途にせよ…)ことになるワケです。
確かに最近は各社とも1型のセンサーを載せたコンデジラッシュになっているというのもありますが、だからと言って社内的にも被るモデルを…と思ってしまったんですけど、パイを取り合ってもまだイケルほど1型センサーの市場は大きいと考えたのでしょうか。スマホにユーザ層を完全に取られた豆粒センサーコンデジに対し、1型以上は恐らく普遍化しないという読みもあるのかもしれませんし、写真(動画もあるだろうけど)専用機としての意地みたいなものがそこに見え隠れしてる気がしてなりません。
そこでやはり気になるのが『ニコワンシリーズ』との棲み分け。もともと、『ニコワン』はそれなりに良い(1型未満のコンデジと比較してだけど)画質とレンズ交換式というある意味全部入り的な立ち位置にあって、コンデジでもキレイに撮りたいとか、ちょっと凝った撮り方したい的なユーザ層と、レンズ交換式という点で圧倒的なNikkor資産まで含めた膨大なレンズ群による活用といったローコスト望遠システム需要を一括りに満たそうとしてきた感が否めないのでありました。
そこへ今回の『DL』登場で明らかにライトユーザ層はこっちね、といった選択肢(分岐)を出してきちゃったのであります。1型でそれなりにキレイに、でもレンズを交換してまであれこれするほどでもない…といった層というか。更には某社のRX100シリーズとか、1年先行してる某社のG nXシリーズとか、そのあたりのユーザ層に圧倒的な画質で勝負を掛けましたといった状態なのではないでしょうか。
1型の最上位はこちらね、みたいなポジションを取りに来てる感じなのであります。プレミアムコンパクトとかハイエンドコンパクトの1型版というか。確かに自分もこの発表を見て気持ち的にグラグラ揺れましたとも。ただし、そこで踏みとどまれるのは既に『ニコワン V3』が手元にあるからであり、『Leica D-LUX(Typ109)』があるからなのであります。レンズ交換式でそれなりの画が撮れる1型だと『ニコワン V3』で行けるし、標準ズーム域の固定式レンズのコンパクト(1型より気持ち大きいけど似た様なサイズ)なら『Leica D-LUX』で間に合ってるということでして、敢えてこれらをリプレイスしなければならない理由も見つからないのでありました。
それでもこのクラス、分野のモデルを保有していない層にはかなりのアピールができるのではないかと思うのであります。というか、ハッキリ言って『ニコワン』ユーザ層のかなりの数を食っちゃいそうな気がするんですけどどうなんでしょうね?
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